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Yaleで、遊んで学ぶ日々。

Yaleで、遊んで学ぶ日々。

囲碁、ときどきプログラミング、ところにより経済。
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KGS高段者の対局から(5d同士、互先)。

黒番。左辺の黒は。黒は△に打てば文句なく二眼の生きだけど。それだと後手。先手を取って右辺・上辺のご馳走にありつくには。
efadfa3a.png




























 
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KGS高段者の対局(6d vs 5d, コミなし)から。局面、すでに黒に勝つチャンスはなさそうだけど、左下のヨセについて考える。

白△となにやら格好いい手だが、その狙いは・・・。
img1.png




























 

プロの碁打ちの中で誰のファンか聞かれれば、僕は一番に依田紀基九段を挙げる。現役最強なら日本では張栩棋聖、山下名人、井山天元あたり。世界最強となると、中韓の棋士の栄枯盛衰が激しすぎて定義が難しい。それでも僕が依田九段を推す理由は、彼の碁に対する考え方が学者然としていて、強く共感するからである。多少大げさにいえば、勝利ではなく碁の真理を探求する姿勢が、依田九段の言葉の端々から読み取れるように思えるのである。同じ理由で、故梶原武雄九段や王銘エン九段も好き。
 
 
その依田九段が、筋場理論なる画期的な理論を発見したのだそうだ。ブログの記事から尋常でない興奮が伝わってくる→記事1記事2記事3。さて、その効用や如何に。
 
 
一流棋士の石を筋に持って行く手順も、この理論でほとんど説明できると言って過言ではない

いままでの手筋書では手筋について、「こう打つ石の調子」などとあいまいな表現だったのが、筋場理論では手筋をはっきり定義できる

大家の先生がその本の中で手筋講座をされていますが、その内容の全てが筋場理論で説明できる
 
 
と、どうやらいわゆる「筋」という曖昧なものに対して一貫性のある説明をつけるというもののようだ。良い手、悪い手を判定する公式のようなものを開発したってところだろうか。今までばらばらに理解されてきたものをひとくくりにする上位概念の提示であり、一言で言うと一般化である。
 
なぜ一般化は嬉しいのか。一般的であればあるほど良いというのは当たり前のようで、実はそこまで明らかではない。すでに知られている筋を1つの理論のもとに説明できるということは、強くなることにつながるだろうか。読みの優れた人や、十分筋に明るい人にとっては得るものは少ない。というのも、そういう人たちは理論に拠らずとも答えを出せてしまうからだ。理論が力を発揮するのは、囲碁を習いたての人に筋を説明する時だろう。依田九段自身、次のように書いている。「プロ棋士は感覚でわかっていることなので、自分が碁に勝つためだけで、人に教えようとしなければ、言葉にする必要がない」
 
依田九段が筋場理論に興奮しているのは、一つには彼が現在塾を開講していて筋を説明する必要があるということがあるだろう。しかしそれ以上に、統一的な理論の発見し、碁の真理に一歩近づいたことを喜んでいるように見える。
 
 
ところで、一般的な理論はすでに筋を理解しているプロには効用はないが、一方でコンピュータには非常に有益だ。筋をプログラムすることが難しいのは、そもそも筋を定義することが難しいからであって、もし筋場理論が(僕はまだその全貌を知らないけど)明確な定義を提供できるならば、筋を理解する囲碁AIを作ることができるかもしれない。現在、最も強い囲碁AIは、最近話題になったZenを始めとして、モンテカルロ法をベースにしたアルゴリズムで動いている→Zen関連の記事。これらは筋を理解しない。彼らにとって、筋はその場で見つけるものなのだ。依田九段の理論が、モンテカルロ王国への対抗勢力を生み出すことになったら面白い。
 
筋となると石がぶつかった時の話だが、一方で王銘エン九段の指摘する囲碁AIによるエリア認識の問題も興味深い→メイエン事件簿。彼の著作はエリア(昔はゾーンと呼んでいた)を何とか定義しようという試みで非常に面白い。彼の謙虚な動機づけを引用する。
 
私達の前に立ちはだかる無限の壁。それを読みで押し倒す者あれば、感覚で軽々と飛び越える者あり。されど、そのいずれもできずとも壁によじ登り、超えてゆこうとする者よ、ゾーンを信ずる心はそなたの足場となり、そなたの力となり、そなたの支えとなるだろう(王銘エン『ゾーンプレスパーク』日本棋院, 2003)
 
読みのすごいやつとがっぷり組み合っても勝てんのだから、何か総じてうまくいく行動指針が欲しい、ということのようだ。方向性こそ違えど、これも一般的な理論を探求するという意味において依田九段と同じだと僕は捉えている。
1泊2日、移動時間計13時間の強行日程ながら、国際法模擬裁判の世界大会「Jessup 2012」を観戦すべくDCへ行った。残念ながら桜はすでに散ってしまっていた。例年よりも2週間早かったらしい。→問題について


今年の日本代表は京都大学で、国別予選2・3位の早稲田大学大阪大学はexhibition team(?)として参加するらしい。各国の代表枠は予選参加チームの数で決まるが、日本の場合それが14で、代表枠が2枠になる基準まで僅かに届かないところらしい。つまり、競争率が最も高い国の1つになっていて、それが理由で特別参加に招かれたのかもしれない。タイトルを争わない親善試合を戦うから exhibition teamと呼ぶのだろうけど、観客は身内だけなんだからそれも変な話だ。ちなみに、予選をパスした国代表は competitive teams という。


京都、早稲田をそれぞれ1試合ずつ観戦することができた。特に、京都の対戦相手はフィリピン代表で、惚れ惚れする弁論だったのだが、後で調べると準決勝まで勝ち進んでいた相当な強豪だったようだ。→大会結果へのリンク



日本の2チームは、主張の構成こそ大分違うが、弁論の展開のしかたがよく似ている。おそらく、模擬裁判かくあるべきとして、日本で蓄積され、教えられ、信じられている日本流の型なのだと思う。その型とは、ひとことで言うと、「固い」あるいは「静的」なのである。明文規定のないところにも要件を提案し、これが判断基準であるとしてその一線から一歩も引かない弁論をする。法的な主張は、まず一般論を議論し、そこへ事実を当てはめて結論を導く、という三段論法の形をしているのだが、どうも日本の型というのは、一般論で苦労をして当てはめで楽をするというスタイルのようだ。

このスタイルの利点は、主張に曖昧さが残らないところにある。カチカチの一般論を主張するから、それさえ認められれば100対0で勝つ論法だ。逆に、一般論に多少の不明瞭性を残すと下手をすると水掛け論に陥いるリスクがあるので、これを避けるためのスタイルでもある。ただし、普通の模擬裁判では(問題がまともであれば)、100対0で勝つ論理はあり得ない。

フィリピンの選手を見ていて感じたのは、曖昧さを残しつつ水掛け論にさせないスカシの技術を持っているということだった。「それじゃぁ君の主張が正しいとは言えないんじゃないの?」と指摘された時も、たとえば「でも私の言っていることも悪くないでしょ」と、さらっと(勝手に)要求のラインを下げる。結局、対戦相手と比べて相対的に正しければ勝ちであって、目指すのは51対49で構わない。フィリピンは対戦相手と戦っていた。一方、日本の型は神と戦っている。

実際、審査をする裁判官の方は、露店で値段交渉をするようなつもりで法廷に入ってきている(少なくともそういう人が多い)。弁論者の主張を聞いて、多少ケチがついて、いやいやそこを何とか、と綱引きをして、どのあたりで納まるかな、という展開を期待している。動的で柔軟な議論を楽しみにしている。それが、一箇所にとどまってテコでも動かんぞという弁論に出会って多少面食らっている、というのが僕が日本チームの試合を見た時の印象だった。



法は少なくとも短期的には静的な存在だが、結局のところその本当の姿を誰も知らない(そういうものを哲学ではイデアと呼ぶのだったか)。だから、法の適用や法による判断は(その本来の姿に反して)、動的であるほうが自然だと思っている。往々にして、静的な理想像から出発し、まずそちらを完璧にしてから、適用段階になって徐々に動きを出そうとすると、妙な論理破綻を起こしやすいのではないか。例えば、経済学はそういう理論体系をしている。


Gimpにelsamukoスクリプトを追加して、画像加工を自動で行えるようにする。

https://sites.google.com/site/elsamuko/gimp


パッケージをここからダウンロードして、ファイルをGimpのscriptsフォルダにベタ貼りする。scriptsフォルダの場所を確認するには、Gimpを一度起動して、Edit > Preferences > Folders > scripts で表示される。普通はホームディレクトリに隠しフォルダがあるので(~/.gimp-2.6/scripts みたいな)、そこで良い。ファイルはサブフォルダに入っていると認識されないようなので、scripts以下にベタ貼りにする。

ファイルを移動したら、Filters > Script-Fu > Refresh Scripts で状態を更新して、使用可能になる。




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