Yaleで、遊んで学ぶ日々。
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囲碁、ときどきプログラミング、ところにより経済。
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問題図は黒から打って本コウになる形。ここから変化して起こりうる図は、次の4通り。
状態1: 白が解消した形
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状態2: 問題図。黒から打って本コウ
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状態3: 白から打って本コウ
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状態4: 黒が解消した形
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このうち、状態1が白2目の地、状態4が黒13目の地(7目+アゲハマ6)であることは数えれば分かる。そこで、黒の立場から考えて、
V1 = -2
V4 = 13
と書く。問題は状態2と3の価値はいくらか、ということだ。
結論から言うと、次のように素朴に考える。すなわち、状態1, 2, 3, 4 は等間隔である、と。すると、
V2 = 3
V3 = 8
でなくてはならない。
問題図のAの価値は、黒が打つならV2からV3への変化、白が打つなら V2からV1への変化であるから、いずれにしろ5目というのが答えになる(これは見合い計算の場合。出入り計算では10目と数える)。
さて、状態1〜4 はなぜ等間隔であると言えるのだろうか。これが、長い間の疑問だった。V2とV3の価値は、コウ材の具合に寄るではないのか。状態1〜4の価値が等間隔であるという考え方の裏には、どういう仮定が隠れているのか。次の命題がこの問いに答える。
命題:V1, V2, V3, V4が等間隔であるということと、状態2から状態1へ推移する確率が1/2であり、かつ状態3から状態4へ推移する確率が1/2である、ということは同値である。
証明:状態iから状態jへの推移確率をp(i, j)と書く。すると、次の連立方程式を得る。
V2 = p(2,1) * V1 + p(2,3) * V3
V3 = p(3,2) * V2 + p(3,4) * V4
ただし、確率の定義より、p(2,3) = 1 - p(2,1), p(3,2) = 1 - p(3,4)
もし、p(2,1) = 1/2, p(3,4) = 1/2であるなら、全ての推移確率は1/2になるので、上の方程式は
V2 = 2/3 * V1 + 1/3 * V4
V3 = 1/3 * V1 + 2/3 * V4
を導く。すなわち、V1, V2, V3, V4は等間隔である。
逆に、V1, V2, V3, V4が等間隔であるなら、方程式を解くことにより、
p(2,1) = 1/2
p(3,4) = 1/2
を得る。
【証明終】
というわけで、V1, V2, V3, V4が等間隔であるという考えの背後には、問題図においてAと打つのが黒になる確率と白になる確率が等しく、また状態3において、次にQ19に打つのが黒になる確率と白になる確率も等しい、という暗黙の仮定が隠れている。つまり、手番がランダムに巡ってくるという想定が、価値判断の核を構成している。
さて、本コウの場合、一般に、コウ争いにおける状態は4つある(白が解消、白がコウ取り、黒がコウ取り、黒が解消)。したがって、一手の価値を計算するには、白が解消した図と黒が解消した図の差を比べて、3で割ればいい(植木算。4点あれば、その間隔は3つ)。半コウを取る手が1/3目というのも同じ考え方による。
2段コウなら、状態が5つになるから、4で割って計算する。例えば下図は典型的な2段コウの形。ここから、白はT19, R19と2つ抜いて生き。一方黒は、S17, T14と抜いて取りきることができる。
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コウを解消した形は以下。左図では、白地が・・・5目くらい(黒Q19にはS19, 白T14には黒T12と決まるとすれば、白地3目+アゲハマ3つ)? 一方、右図の黒地は・・・22目かな。計算方法が分かっても地を数えることができないんじゃ仕方がないな。まぁ大体そんなところだとして、解消形の差は27目。それを4で割って、一手の価値は7目弱、ということか(出入り計算で言えば14目弱)。合ってるのかな、これ。
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状態1: 白が解消した形
状態2: 問題図。黒から打って本コウ
状態3: 白から打って本コウ
状態4: 黒が解消した形
このうち、状態1が白2目の地、状態4が黒13目の地(7目+アゲハマ6)であることは数えれば分かる。そこで、黒の立場から考えて、
V1 = -2
V4 = 13
と書く。問題は状態2と3の価値はいくらか、ということだ。
結論から言うと、次のように素朴に考える。すなわち、状態1, 2, 3, 4 は等間隔である、と。すると、
V2 = 3
V3 = 8
でなくてはならない。
問題図のAの価値は、黒が打つならV2からV3への変化、白が打つなら V2からV1への変化であるから、いずれにしろ5目というのが答えになる(これは見合い計算の場合。出入り計算では10目と数える)。
さて、状態1〜4 はなぜ等間隔であると言えるのだろうか。これが、長い間の疑問だった。V2とV3の価値は、コウ材の具合に寄るではないのか。状態1〜4の価値が等間隔であるという考え方の裏には、どういう仮定が隠れているのか。次の命題がこの問いに答える。
命題:V1, V2, V3, V4が等間隔であるということと、状態2から状態1へ推移する確率が1/2であり、かつ状態3から状態4へ推移する確率が1/2である、ということは同値である。
証明:状態iから状態jへの推移確率をp(i, j)と書く。すると、次の連立方程式を得る。
V2 = p(2,1) * V1 + p(2,3) * V3
V3 = p(3,2) * V2 + p(3,4) * V4
ただし、確率の定義より、p(2,3) = 1 - p(2,1), p(3,2) = 1 - p(3,4)
もし、p(2,1) = 1/2, p(3,4) = 1/2であるなら、全ての推移確率は1/2になるので、上の方程式は
V2 = 2/3 * V1 + 1/3 * V4
V3 = 1/3 * V1 + 2/3 * V4
を導く。すなわち、V1, V2, V3, V4は等間隔である。
逆に、V1, V2, V3, V4が等間隔であるなら、方程式を解くことにより、
p(2,1) = 1/2
p(3,4) = 1/2
を得る。
【証明終】
というわけで、V1, V2, V3, V4が等間隔であるという考えの背後には、問題図においてAと打つのが黒になる確率と白になる確率が等しく、また状態3において、次にQ19に打つのが黒になる確率と白になる確率も等しい、という暗黙の仮定が隠れている。つまり、手番がランダムに巡ってくるという想定が、価値判断の核を構成している。
さて、本コウの場合、一般に、コウ争いにおける状態は4つある(白が解消、白がコウ取り、黒がコウ取り、黒が解消)。したがって、一手の価値を計算するには、白が解消した図と黒が解消した図の差を比べて、3で割ればいい(植木算。4点あれば、その間隔は3つ)。半コウを取る手が1/3目というのも同じ考え方による。
2段コウなら、状態が5つになるから、4で割って計算する。例えば下図は典型的な2段コウの形。ここから、白はT19, R19と2つ抜いて生き。一方黒は、S17, T14と抜いて取りきることができる。
コウを解消した形は以下。左図では、白地が・・・5目くらい(黒Q19にはS19, 白T14には黒T12と決まるとすれば、白地3目+アゲハマ3つ)? 一方、右図の黒地は・・・22目かな。計算方法が分かっても地を数えることができないんじゃ仕方がないな。まぁ大体そんなところだとして、解消形の差は27目。それを4で割って、一手の価値は7目弱、ということか(出入り計算で言えば14目弱)。合ってるのかな、これ。
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