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Yaleで、遊んで学ぶ日々。

Yaleで、遊んで学ぶ日々。

囲碁、ときどきプログラミング、ところにより経済。
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米国に滞在して1年、色んなところを旅行した。以前はそんなに旅行が好きってわけでもなかったんだけど、ネットで情報集めて計画を立てて知らないところに行くっていうのは面白い。そんな中、頭に浮かんだのが、「日本国内旅行もめっちゃ楽しいはず」ということ。夏休みはがっつり西日本の旅を楽しんだ。

今回の行き先は京都・大阪・奈良・伊勢志摩・広島・神戸。四国と九州は次の機会に。京都では、宝泉寺という禅寺で3泊4日の修行をした。何か得られるはず、という曖昧な期待を胸に入山する。大阪在住の友人2人を誘って一緒に行った。行ってみると、団体で来ている人は他にはいなかったから、イロモノ集団と見られていたのかもしれない。

スケジュールは、朝5時半起床、太極拳で体を目覚めさせたあと朝の座禅。それから朝食。食事の後は作務を行い、昼食。お昼は4時間ほど自由時間でその後夕飯。最後に夜の座禅・読経をして10時に就寝。

朝食と夕飯は作法に則っていただく。セルフサービスで自分の食べる分だけ取る。お残しは許されないのでほどほどにする。また、食事中は正座で、全員が食べ終わるまで待たなければいけないので、僕は食事が早く終わるようにさらに控えめにした。皆が終わってもなお食べている人がいると恨めしい気持ちになる。俺の煩悩。食事中は音を立ててはいけない(ことになっている)。実際は器のぶつかる音がカツカツと聞こえるけど、会話はない。最後にお湯と沢庵で器を洗う。これは聞いたことがあったけど、これじゃあんまり奇麗にはならないね。長期滞在者は週1くらいで洗剤で洗いなおしてるのだろうか。

正座には裏技が許されていて、2つに折った座布団を腿の裏に挟むと大分楽になる。体が硬いし、左膝の手術をしたこともあって、この技なしにはやっていけなかった。

座禅は、朝25分×2本、夜25分×3本行う。座禅用の座布団というのがあってその上に座り腰を高くし、両膝を地につける。座禅中は動いてはいけない。薄暗く、静寂の中で虫の音だけが聞こえ、線香の匂い(線香で時間を計る)が漂っていると、何とも考え事にふけるには最適なんだけど、それは本旨ではない。何も考えない、というのが座禅。副住職さんは、自分の呼吸だけに集中するように、とアドバイスをしてくれた。「呼吸の数を数える」とも言っていたけど、それやると寝ちゃいそうになる。だから奥が深いというか、簡単にはたどり着けない境地ってのがあるんじゃないかと思えてくる。とはいえ、その境地にたどり着いている人ばかりじゃなくて、寝ている人や体をもじもじさせている人を見かけたりして、ほっこりした。

作務は結局1度しかするチャンスがなかったんだけど(1日目は午後入山、3日目は写経、4日目は作務の前に下山というスケジュールなので2日目のみ)、僕は掃除でも畑仕事でもなく昼食の準備に志願した。寺の料理ってやつに興味があったのだ。さてどんな精進料理を作るんだ、と思っていたら昼食は精進料理じゃないんだそうだ。これはこの寺独自のルール。良くも悪くも初心者向けということだろうか。漬物や煮物の残りを全部使って、春雨サラダを作るよう指示された。春雨サラダは初めてだったので、一緒に来た友人らに「春雨サラダの味付けって何が合うかな」と休憩時間に聞いた。そしたら「森君が生まれて初めて作る春雨サラダが昼食に出るらしい」という噂が全員に広まってしまって逆にプレッシャーがかかった。不安がっていたら、一緒に昼食担当だった潜龍さん(漢字あってたかな)というお坊さんに、「どんな食事でも全部食べきるのが寺のルールだから大丈夫」と励まされた。フォローになってない。用意された野菜をがっと全部入れてポン酢とごま油で和えたらなんかそれなりの味になった。これは今後276 Prospect St. meal planに加えることにしよう。

潜龍さんは、副住職がいない時は座禅を仕切る人で、座禅中は雰囲気があって近寄りがたい。はじめは、この人が料理をしていた人と同じ人とは思ってなかった。それくらい違う。話してみるととても柔和で気さくな人で、「僕はまだ修行中の偽坊主ですから」なんて言っていた。好意と敬意を表して、帰ってから始めたDQ3のパーティに僧侶として参加してもらった。
DQ.jpg







座禅は、やっぱりつらい。眠気は大丈夫だったけど足が痛いのが何とも。体が硬いのが原因かとも思ったけどたとえ柔らかくても長時間同じ姿勢を保っていると痺れる。調子のいい時で大体10分くらいでヤバイって感じになって残り時間をどう紛らわせていくかを考えていた(本当は頭を空っぽにしないと駄目なんだけど)。コンディションが悪いと開始直後から足が痛い。でも、いい座禅をしたな、って思う瞬間もある。ふっと気がつくと「今すごい集中してた」って思うのだ。つまりその瞬間に集中は途切れちゃったわけなんだけど、それが25分とかそれ以上続けられたら、さらにそれを毎朝毎晩していたら、と想像すると、まぁ想像は絶するんだけどそこには何かがあるような気がする。

友人が潜龍さんと座禅について話をしたらしいのだけど、彼でも「もう無理って時あります」だってさ。宝泉寺で一緒になった方の話によると、潜龍さん、足が痺れちゃって大変だった時もあったらしい。だからって笑って誤魔化したりするでもなく、そのまま続ける。プロってそういうものなんだよね。「逆に」を狙うのは美しくない。お寺の生活のなかにある価値観は、どれも真っ直ぐだった。戦略上、せんりうさんはその後悟りを開かずに転職し、ベホマを唱える戦士として活躍しています。現実の世界では悟りを開いて般若心経を唱えて欲しいものです。
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4日目、朝食を終えると、正座と座禅からの開放感が身にしみた。一緒になった修行者やスタッフの皆さんと合掌写真を撮って下山した。
CHIBI2009-07-30no099.jpg







その後トロッコ列車に乗って京都市内へ行って、作務衣のまま観光した。夕暮れ時、友人らと3人で鴨川沿いに座ってぼんやりしていたら、誰の発案だったか川を眺めながら座禅をしようということになった。寺では畳の目を見ながらだったけど、今度は川の流れを見ながら。無理せず5分だけ。でも今までで一番気持ちのいい5分間の座禅だった。京都の川べりで作務衣姿で座禅をする3人組は、観光客にパシャパシャと写真を撮られた。正真正銘の偽坊主である。

初日はこんな生活4日ももたないよって思っていたんだけど、不思議なもので今、新学期を目前にして思い返すとあぁ良かったな、なんて思う。座禅っていうのは、生産活動じゃないんだ。機会費用がかかっている。食事の作法にしても、楽な姿勢で喋りながら食べたほうが楽しいかもしれない。果たして何なんだろう、この無駄の価値は。Economicsにこれを解き明かす力は今のところなさそうである。しかし、Economistはこれを認識しなくてはいけない。
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私も
私も潜龍さんに会いました。
とても魅力的な方ですね。

潜龍さんの目の前での薬石にはとても緊張し、
手は震えドキドキし、何を食べたかもわからないくらい。
こんなにもスリルと緊張のある食事は初めてでした。


3泊4日の旅でしたが、心に残る旅となりました。
もも 2009/10/10(Sat)17:30:29 編集
>> ももさん
潜龍さんと席が向かいになったんですか。緊張しますね。お寺では手順を暗記しようと必死だったのを思い出します。

でも、オフの潜龍さんは楽しい人でした。脱皮中の蝉とか見つけて一緒に観察したりしました。

また機会があれば行ってみようかなと思います。
kohta URL 2009/10/11(Sun)02:10:20 編集
ブログわ読んで
ブログされるの若ですか、父上ですか。山田和信さんのお葬式に言葉を交わしたババご住職みえこは私の事川内のババと呼びます。
川内のばば山田 2016/03/30(Wed)19:56:52 編集
ブログを見て
   ブログやっていらしゃるのどなたですか、わかそれともご住職?。
川内のばば山田 2016/03/30(Wed)20:05:35 編集
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